AdamoでみるDELL社の超上質マーケティング

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前回のエントリー「Adamo(アダモ)でみるDELL社のマーケティング」から約1ヶ月たちました。

デル社のAdamoは、おととい(3/18に)発表されて、Webサイトにも変化がありました。SEOを考えられていないフルFlashのティザーサイトでしたけど、どうなったでしょうか。

 

「adamobydell.jp」フルFlashはどうなった?

発表前のソースは、ほとんどロボットに情報を伝えられない、検索エンジン最適化では「悪い例」でした。

今回も見た目はあまりかわっていません。

090319_dell_adamo_flash.jpg

 

(Googleのアカウントをログアウトして)「adamo」で検索してみると6位にあります。ニュースや動画、ブログよりも下です。

090319_adamo_google_serp6.jpg

(※スニペットが入ってますね)

 

これでは「Adamo」を知って検索されてもさがしにくいです。なのでAdWords広告を入れて一番上に表示されています。

090319_adamo_google_serp_t1.jpg

 

1ページめの一番下にも表示されています。

090319_adamo_google_serp_b1.jpg

昨日(3/19)から、AdWords広告が表示される場所がかわって、上位1と2位の広告は下にも表示されることになりました。

Inside AdWords-Japan: 検索結果ページの下段にも広告が表示されるようになりました

 

ぜんぜんダメみたいに見えますけど、実はお手本のようにしっかりとソースが書かれていてビックリします。

 

 

フルFlashsでSEOはこうする!

最初のキャプチャーはフツーにFlashだけ表示されましたけど、ブラウザのJavascriptをオフにしてみると・・・

090319_dell_adamo_nonjv.jpg

 

前のときは「Flashプレイヤーをダウンロードしてください」のリンクだけがポツンと表示されるだけでした。今回は<noscript>も書かれているので、これならロボット(インデクサー?)でも読めます。

 

X-Rayしてみると・・・

090319_dell_adamo_xray.jpg

 

発リンクが4つ、内部リンクが1つ。見出しは、h1、h3、h2、の順番で表示されています。画像にAlt属性があって文字はテキストです。

気になることは、

  • h1が画像なのにAltもテキストもない?
  • h2より上にh3が来ている?
090319_dell_adamo_xray_s.jpg

 

見出し「h1」をhtmlソースから見てみる

<div id="feature">
<h1 class="gl"><span></span>Adamo by Dell. 愛の訪れ. DELL.JP から今すぐ注文.</h1>

画像と同じ内容が書かれているのでスパムにはならないはずです。
(空っぽの<span></span>の意味はわかりません・・・)

 

スタイルシートを見ると、さらにナットク。

#feature h1 {
    position: absolute;   ・・・絶対位置指定
    top: 123px;   ・・・上から下への位置
    left: 319px;   ・・・左から右への位置
    width: 316px;   ・・・幅
    height: 52px;   ・・・高さ
    margin: 0; /* IE 7 needs */   ・・・IE7のときはマージン0?
    font-size: .8em;   ・・・フォントサイズ
    z-index: 200;   ・・・重なりが(親の属性を基準にして)+200
    padding-top: 2px;   ・・・上のスペース
    overflow: hidden;   ・・・領域からはみ出たところは隠す
}

よく使われている(と思う)のは、テキストをindent:-999にしてブラウザの外で表示する方法ですけど、重なりを調整するっていう方法もあるんですね。勉強になりました。

 

見出し「h3」はソースの終わりに近い位置

        <div id="upgrade">
        <h3>Flash のアップグレード</h3>
        <p>簡単な無償アップグレードで、Adamo サイトのエクスペリエンスを存分に楽しめます。</p>
        <p>Flash をすでに入手している場合は、ブラウザで JavaScript を有効にしてください。</p>
        <p class="getFlash"><a href="http://www.adobe.com/go/getflashplayer" title="Adobe Flash の入手">Adobe Flash の入手</a></p>
    </div>       
<div id="footer">
        <p class="chooseLang"><a href="choose-language.html">言語の選択</a></p>   
        <p><a href="http://www.dell.co.jp/">&copy;2009 Dell</a></p>

    </div>
</div><!-- end flash -->
</div>
---- Javascriptを省略しました ----
</body>
</html>

 

ソースではフッターのすぐ上(h2よりも下)に書いてありました。これもスタイルシートの絶対位置指定になっています。

#upgrade {    position: absolute;   top: 442px;   left: 30px;   width: 250px;}

 

テキストでAdamoの情報はくわしく内容が書かれていますし、CSS素人な私にはスゴイとしか言えません・・・

 

 

なぜフルFlashだったの?

こんなにきれいなソースやスタイルシートを、なぜ最初から使わなかったのかを考えてみると、

「DELL社『Adamo』の演出は映像(Flash)でなければダメ」

ということが考えられて「機能や性能」ではなくって「デザイン、恋に落ちる」がAdamoのコンセプトなので、

「文字で『Adamo』を表現することはできない(してはダメ)」

という理由から、ティザーサイトの期間はフラッシュのダウンロードだけ表示していたということになると思います。

前回、清音さんから頂いたコメントにとってもナットクです。

 

長期的にプロモーションしていくサイトとちがって、商品単位のキャンペーンというのは、短期決戦で、SEOよりも商品イメージ、ブランディング重視ですから、adamoもPPCやバズマーケティングを重視しているのでしょうか。

- 引用元:Adamo(アダモ)でみるDELL社のマーケティング - SEO対策の薬箱 -

 

 

SEOはマーケティングの「戦術」で戦略ではない

ボスから言われたSEO担当7つの掟の一番はじめにある「SEOは戦術であり戦略ではない」です。

私は「なぜテキスト書かないの?もったいない・・・」ということだけしか考えていなくて、戦略を理解せずに戦術ばかりを見て考えていたっていうことになります。

スッカリわかってる「つもり」でしたけど、戦略の実践がまだナイのでかたよってしまいました。と、イイワケをしてみますw

 

最適化を考えていないのではなくって、Adamoをイメージしてもらうティザー期間は、テキストでは表現することができない(してはいけない)という意味だったら、前回と今回のどちらも「DELL社オリジナルの素晴らしいコンテンツ」ということになります。

フルFlashがぜったいにダメなのではなくって「コンセプトを知ってからでないと、SEOはジャマになることもある」っていうことです。

 

SEO(内部施工)が必要ではないこともある

という勉強になりました よね?w

 

[DELL社のマーケティング、SEOティザー広告について]

DELL社のプロモーションからSEOを考えたのは「(私が)大企業のマーケティングを体験することはまずナイのでシミュレートしてみなさい」っていう指示からでした。

ロボットへ最適化しようとしたとき「マーケティングチームがホントに伝えたいことは何なのか、知っててSEOを考えているのか?」という「実はケーススタディになっていたのはDELL社ではなく私でした」っていうオチですw

Web制作に関わるSEO担当者は、時には「このプロモーションには内部施工は必要ない」と言えるマーケティングのプロであれ、ということでした。

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